願いを叶えるために自分を知る9

第9回:喜びは、自分を赦した先にあった 

 なぜ、私はあれほどまでに「小さな願い」すら叶えなかったのか。

 理由は、いろいろあると思います。 

でも根本にあったのは、 「私が我慢すれば、すべて上手くいく」という思い込みでした。


 そして、そう信じていたのは、おそらく母も同じだったのです。

 今から思えば、母は周囲から一定の評価は受けていたものの、どこか幸せそうではありませんでした。 

子供だった私は、そんな母の背中…いえ、背中の「脇」を見て育っていたのだと思います。


 「自分が犠牲になれば、子供が幸せになる」 「家族のために、私は我慢しなければならない」 


 それはある意味、正義感であり、愛のかたちではありますが……


でも、とても偏ったエネルギーの使い方でもあります。 


 量子力学の視点で言えば、それは幻想であり、虚言とも言えるもの。 

本当の愛や願いは、犠牲ではなく、満たされた状態からあふれるエネルギーで叶えるものだからです。 


 そう気づいてから、私は少しずつ行動を変えていきました。 


「私が楽しく過ごす姿を、子供に見せよう」と決めて、実践したのです。 


 この世界は、ちゃんとそれに応えてくれるようにできています。 


ある日、ふとあるアイドルを好きになりました。

 気づけば毎年ライブに通うようになり……


 子供の頃に叶えられなかった「ライブに行きたい!」という願いを、今度は子供と一緒に叶えるようになったのです。


 …とはいえ、私は相変わらず負荷をかけがちで(笑)、 

ある年は、ライブの直前に救急車で運ばれたこともありました。

 原因不明で帰されたものの、「這ってでも行く!」という想いで参加しました。 

 すると、まさかの出来事が―― !!

推しから、特別なファンサービスをもらったんです! 


 その瞬間、私は人生で初めて「喜び」というものを、全身で感じた気がしました。 


 それは、1分にも満たない時間でしたが、私だけに向けられた……明らかにいつも見ていたファンサービスとは違った、特別に丁寧なものでした。ツイッターでもあんなファンサービス見たことない!とうらやましがられるほど……!


 その時、一瞬何が起きたかわかりませんでしたが、確かに私は、 「生きている」と実感したのです。 

 

今から思えば、私はその時まで、喜ぶことを、自分に禁じていたのだと思います。


「もっと喜んでいいんだよ」 そんな風に、自分で自分を赦せた瞬間だったのだと思います。


続きます。


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